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住職法話3月「独り占め」

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現代人はお互いに、俺が、俺が、と自我一辺倒で、相手の
立場に立って考えるということを忘れているようです。
その結果、政治も教育も道徳も救いようのない腐敗、混迷、
堕落を招き、人を批判することばかりで、閉塞感のある社会になっています。
ある少年のお話です。

少年には弟がいます、いつも弟とピザを分けて食べるので、少年の夢は1人でピザを食べることでした。

ある日のこと、弟と母親が買い物に出かけた留守に自分の小遣いでピザを宅配してもらいました。

「やったピザだぁ、これで独り占めできるぞう」夢が叶った瞬間でした。

少年はピザを食べながらふと思ったのです。

「何か違う、いつものピザではない、なんでこんなにおいしくないのか」

そう思いながらピザを食べておりました。その時、弟が帰ってきました。

「わぁ、兄ちゃんピザだぁ、おいしそう」

「こっち来て一緒に食べよう」兄弟仲良くピザを食べました。そうすると

「美味しい、いつものピザの味だぁ」

そこには分け合う幸せがあるのです。独り占めが幸せだと思っていたが、弟の笑顔をみながら食べるピザほど美味しものはないのです。

 

うばい合えば憎しみ 分け合えば喜び

奪い合えば不満 分け合えば感謝

奪い合えば戦争 分け合えば平和

奪い合えば地獄 分け合えば極楽

 

全てのことが平等にはならない事の方が多いかもしれません。

しかし、宗教は分け隔てなく、ただただ、阿弥陀様の救いを信じて、お念仏をお唱えすれば、どのような者でも救っていただける有難いみ教えでございます。合掌