「自分さえ良ければいい」という疚しい心がどこかに潜んではないでしょうか?
利己主義が蔓延し、相手の立場になって考えてみる事がおろそかになってきています。
お釈迦様の法話の中に、「目の不自由な人と提灯」という話があります。
インドに目の不自由なAさんがおられました。ある日、Aさんは久しぶりに友人Bさんの自宅を訪れ、話に花を咲かせて、気付くと外は真っ暗になっていました。
Bさんは「夜道は危ないから」と言って提灯を持たせようとすると、Aさんは「目の不自由な私に提灯なんか要るはずがない、冗談はやめてくれ」と怒りました。するとBさんは「貴方は要らないと思うが、相手の人がぶっかってくると危ないから持っていきなさい」そう言われてAさんは提灯を持ちながら帰宅されたというお話です。
自分に不要なものでも、相手には必要なものがあります。心に灯す優しさが必要であります。
この心を育てるには、仏様と向き合うことです。仏壇の前に座り、お燈明、お線香、お水、お花、お供えを施し、布施行をすることにより、自分に向いている欲を外に向けてまいりましょう。そうする事により供養の心、共に優しい施しの心が養われてまいります。
浄土宗のみ教えはただひたすらに念仏をお唱えすることです。阿弥陀様と向き合い、仏心を養ってまいりましょう。合掌