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住職法話9月「知識と智慧」

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哺乳動物の寿命が昔と変わらないのに、なぜ人類だけがこんなに長生きするようになったのだろうか。それは人類だけが考える動物になり、他の動物にない唯一の特徴であるからだという一説がございます。

ところが、最近、あまりにも便利な生活状況のなかで考える習慣がおろそかになるという現象が見え始めました。手軽であり、便利なインターネットの普及により、すべてが目に飛び込んでくる、思考を必要としない時代になってきました。

車には、カーナビゲーションシステムが設置されていて、知らない土地でも、カーナビの指示通りに運転すれば、安心して目的地に到着できます。誠に便利なものができたものだと感心させられます。しかし、ここで考えないといけないことは、知識と智慧であります。

まさしくカーナビの道案内が知識で、自分自身の経験と感を頼りに、的確な判断で目的地へたどり着くことが智恵であります。回り道をしてでも、渋滞を避けたり、有料道路道案内の指示があっても、時間があるので、料金を支払うよりは、一般道を優先したりと。

知識は多いほど、気持ちは豊かになれるかもしれませんが、毎日の生活、人生の過ごし方には智慧が必要になります。

仏教は「考える宗教」であります。「生死」を考えることにより、生き方に変化をもたらします。

信仰心がない方でもまずは「考える」ことを大切に過ごしてまいりましょう。

そして、考え、最後にはすべてをお任せする。その仏様が阿弥陀様なのです。合掌