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住職法話11月「聞く地蔵、聞かぬ地蔵」

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ある村に1人の僧侶が現れ、村にお地蔵様2体を奉納なされた。東の地蔵は聞く地蔵と言って、願い事をなんでも叶えてくれる。西の地蔵は聞かぬ地蔵と言って、極たまにしか願い事を叶えてはくれません。

僧侶は、必ず西の地蔵にお参りするのだと言い残して、姿を消しました。村人は東の地蔵にあらゆる願い事をかけて、お参りし、またたく間に金持ちになり、病気も治りました。それから月日が流れて、ある問題が起こりました。皆が裕福になったものだから、汗水たらして真面目に働かなくなりました。また妬みやひがみの心が湧いてきて、今度はお互いに人の不幸や災難を願う様になりました。そんな頃、あの僧侶がまた現れて、村の様子を見て、「西の聞かぬ地蔵にお参りするがよい」と言ってまた姿を消しました。

聞かぬ地蔵は願い事を聞いてくれるわけではないので、ただただ無心に拝むだけでした。

だんだんお参りしているうちに、自分たちの横着で自分勝手な心に気づき、皆、真面目に働くようになりました。やがて元の平和な村に戻ったのであります。

ご利益宗教もありますが、真の宗教とはみ仏にお任せすることであります。

自分の都合のよいことだけを考えて、聞く地蔵にばかりお参りしてはいないでしょうか。

ただただ、素直に「南無阿弥陀仏、なむあみだぶつ」とお称えしてまいりましょう。合掌