やっとコロナが落ち着いてきたかぁと思っていましたら、オミクロン株により感染急拡大という現実。なかなか思い通りにはならないものです。
赤ちゃんは「世の中、自分の思い通りになる」と勘違いしているそうです。周りの大人を操り、自分の都合の良いように動かす様子は、まるでリモコンでテレビやエアコンを操作する姿にも似ています。赤ちゃんの泣き声がまさにリモコンの役目を果たしている訳です。泣けば大人があらゆることをしてくれる、守ってくれている。
これを心理学では全能感あるいは万能感と呼ぶそうです。全能とは何でも出来る、また万能とは、何にでも効くこと。つまり「自分が何でもできる」という感覚を意味する言葉で、子供の発達段階に於いて、しばしば見られる現象とされています。それが、ただの勘違いであると気付くことが成長なのです。即ち「泣いても思い通りにならない」という事。時に自分の思いと現実のギャップを受け入れられず、もがき苦しむことがあります。それが反抗期。その反抗期も次第に現実を受け容れる中に落ちつきます。
しかし、世の中には全能感や万能感を引きずったまま大人になる人がいます。一番ややこしいのは全能感・万能感を持ったまま子供に恵まれ親になってしまうことです。我が子だから親の思い通りになると勘違いをし、思い通りにならないと力ずくで思い通りにしようと虐待をしてしまったりするのです。
全能感・万能感を引きずった人は、思い通りにならない現実を受け容れられず加持祈祷やまじない等の神頼りに走ります。思い通りにならない現実を無理やり自分の都合のいいものに変えようとしても、結局は思い通りにならず苦しみが増し、迷いが深まるばかりなのです。「人生は思い通りにならないものだ」としっかりと受け止めることが大切ではないでしょうか。
その苦悩多き人生を私と共に歩んでくださるお方が阿弥陀様なのです。み仏様と接していると、温かい心で私たちを見守ってくださいます。その願いに応えるようお念仏を称えてまいりましょう。合掌